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6.12022
Vol. 194 Reactive-dyed Denim
いよいよ、本格的に暑くなってまいりました。
GW明けは、例年に比べると天候に恵まれなかったこともありますが、比較的過ごしやすい日が続いていました。
ここにきて、梅雨から真夏への突入の様相を呈してきました。
先月ご紹介した、テキスタイルシミュレーションソフトの4Dbox Plansも、少しずつ使いこなせるようになってきました。
もちろん、私が使っている部分は、たぶん、全体の機能の数パーセントにすぎないと思いますが、それでも、非常に役に立っています。
■ 例えば、今回、SolbiatiのWool/Linenのジャケットがお仕立上がってきたのですが、お仕立上り前のシミュレーションと現物のジャケットの画像をご覧ください。
まず、上の画像は4Dbox Plansのシミュレーションに使った元の画像です。
ジャケットは岡山産デニム、パンツはSolbiatiのコットンです。
下がこれらが載せ替え用のジャケット生地、パンツ生地です。
(ジャケット)Solbiati “Crossover” 80% Wool 20% Linen 330-340g
(パンツ)Linen Twill 100% Linen 310g
そして、元の画像に上の生地を載せ替えたシミュレーションが下記のとおりです。
そして、下の画像が、お仕立上がってきた本物のジャケットとパンツを着用したものです。
どうですか、なかなか、いい線、行っているのではないでしょうか。
出来上がりの雰囲気がそこそこイメージできますね。
今後、2022年秋冬物のご提案の際にも、積極的に使っていきたいと思います。
■ ところで、上のシミュレーションの元の画像で着用しているジャケットは、反応染めのデニム生地です。
反応染めは、コットンの主成分であるセルロースに、直接、化学反応をおこし、細かい粒子の染料を糸の中まで十分に染み込ませる染色方式で、色落ちがほとんどありません。
それに対して、通常のインディゴは粒子が粗く糸の表面に「付着」している状態で、糸の中まで染まっていないため、色落ちがしやすくなります。
もちろん、インディゴの経年変化はジーンズならでは、と言えますが、ことドレッシーなジャケットやパンツにおいては、色落ちは大きな問題となります。
この反応染めの生地は、衿や袖などの摩擦や汗によるシャツへの色移りもなく、また、クリーニングによる色落ちの心配もなく、常に新品の様にご着用いただけます。
(「衣類の色の落ちにくさ」を堅牢度と呼びます。堅牢度には、耐光堅牢度(日光による色あせ)、洗濯堅牢度(水洗いによる色抜け)、摩擦堅牢度(摩擦による色落ち)や汚染と呼ばれる、他の生地への色移り、いわゆる「色泣き」などがあり、それぞれ1~5段階の評価がされます。通常のアパレル製品の場合、百貨店などではかなり厳しい堅牢度の基準が設定されています。)
上の画像のジャケットの生地は、岡山産の5.6ozのもので、通常、一般的に使用されるコットン生地と同程度の厚みとなっています。
(デニムのジーンズは、通常、10~14oz程度ですので、これは約半分程度の厚みと言えます。)
また、最近、8oz、9ozなどの、少し厚めの反応染めデニム生地のサンプルも入手しました。
現在の反応染めデニムのラインナップは下記のとおりです。
反応染めデニム(岡山産) 100% Cotton 5.6oz (290g)(上の画像のもの)
反応染めデニム(岡山産) 100% Cotton 9.2oz (470g)
反応染めストレッチデニム(岡山産) 98% Cotton 2% Polyurethane 8.0oz (410g)
デニム素材は季節感があまりないので、いつでもご着用が可能な便利な素材です。
また、すべて岡山産ですので、かなりお求めやすい価格になっています。
■ ところで、Spence BrysonのIrish Linenがリニューアルされ、色や素材のバリエーションがかなり広がりました。
シャツに最適な厚みの生地もあります。
Spence Bryson “Tropical” 100% Irish Linen 370g
Spence Bryson “Glin” 100% Irish Linen 300g
Spence Bryson “Tyrone” 100% Irish Linen 380g
Spence Bryson “Quintin” 100% Irish Linen 205g (シャツに最適です。)
(おわり)