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Vol. 212 Overcoats and Raincoats

ここのところ、ようやく冬らしい気候になってまいりました。
北日本ではすでに寒波が襲来しており、翻って思い返してみると、やはり「秋」がなかったですよね。
ここの所、日本らしい四季がなくなり、夏と冬だけになってしまいました。

今年の紅葉も遅れているようで、東京受注会を開催するホテル近くの小石川後楽園も紅葉の見ごろには少し早い感じがします。
こちらは、江戸時代の初めに水戸徳川家初代藩主・頼房が江戸の中屋敷に造成し、二代藩主・光圀の代に完成した庭園です。
東京は喧騒の中でも緑が豊かで良いですね。

 

さて、今年は特に暖かい日が続いたため、今もコートのご注文が結構あります。
本来なら、この12月や1月はシーズンの狭間になるため、服や服地の話題が乏しくなるのですが、今年はまだまだコートが間に合いますので、改めてコートのご紹介をしたいと思います。

下のサンプルの画像をご覧ください。
コートはスポーツや戦争由来のものが多く、着用する場所やシチュエーションによって仕様が機能的に進歩したもので、その機能を高めるために専用の生地が開発されたものもあります。
それぞれのコートの由来の説明につきましては別の機会に譲るとして、我々が街で着用する現在においても、それらの仕様がそのまま継承されているのは面白いですね。
まず、コートは大きくオーバーコートとレインコートに分かれます。
というか、逆に日本語で「外套」を意味する「コート」というアイテムはなく、オーバーコートとレインコートのどちらか、と言った方が正しいと思います。
(着丈の短いジャケットというアイテムは18世紀に発明され、それまでは上着はすべてコートでした。モーニングコートやイブニングコートがその名残です。)

 

     
左から
ガーズマンコート Guardsman coat

ローデン・シューティングコート Loden Shooting coat
カバートコート Covert coat

 

     
左から
チェスターフィールドコート(ダブルブレスト)Chesterfield coat (Double Breasted)

チェスターフィールドコート(シングルブレスト)Chesterfield coat (Single Breasted)
ケープ Cape

 

     
左から
バルマカンコート Barmakaan coat

ブリティッシュウォーム British Warm
ストックマンコート Stockman coat

 

     
左から
ポロコート Polo coat

ピーコート Pea coat
トレンチコート Trench coat

一般的に暖かさを求める防寒機能のあるものがオーバーコート、雨や風をしのぐための防水効果のあるものがレインコートとなります。
もちろん、比較的、冬に雨や霧が多いヨーロッパにおいて、防水や撥水機能を兼ね備えたオーバーコートも多数あります。
例えば、カバートコートのためのカバートクロスなどは、ち密な綾織で毛羽立ちがなくウール本来の撥水機能と相まって雨がしみこみにくく、防風効果もあり、毛羽立ったカシミアなどに比べても長期間のご着用が可能ので、非常に便利だと思います。
もちろん、日本では、乾燥した日の多い太平洋側の各地においては、ふんわりとしたカシミアのコートは軽量な割に温かく、真冬には最適な素材です。
上の画像のコートですが、ほとんどのものが当店にサンプルがありますので、ぜひお試しください。
これらはスタイルの見本として、素材を変えることでオーバーコートにもレインコートにもなります。また、前述のようにその中間的なコートも可能ですので、ぜひ、生地についてもお問い合わせください。

今、ご注文をいただいても、年内の仮縫い、来年1月末あるいは2月上旬のご納品となり、充分厳冬期には間に合います。
また、撥水のコットン生地による、レインコート兼用のスプリングコートも良いですね。
3月の下旬は、毛羽立ったコートは見た目が若干暑苦しく感じますが、気候的にはまだまだ寒い日が続きますので。

(おわり)

 

 

 

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