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3.12021
Vol.179 Old Men’s Fashion Magazine
予想通り、2月は「逃げて」行ってしまいました(笑)
今年の2月は寒暖の差が激しく、コロナ禍も相まってなかなか疲れる日々が続きますね。
◆ 今年も、2021年春夏物の生地見本がほぼ出そろいました。
昨年の4月、5月頃は服地の産地であるイタリアの北部や英国はほぼロックダウンの状況で、生地の供給が危ぶまれましたが、何とか新しいコレクションも出来上がってきました。
ただし、新作は例年に比べて、若干少ないような気がします。
しかし、昨年より引き続き販売されている生地も多くありますので、その意味においては、春夏物生地は全般的により一層、厚みを増した気がします。
スーツ生地においては、フレスコ、トロピカル、モヘア混などにおいて、バリエーションが確実に増えました。
また、ジャケット生地に関しても、三者混、シルク混、麻混などでご覧いただける種類が増えています。
ぜひ、ご来店の上、サンプルをご覧ください。
◆ ところで、当店には、様々なメンズファッション誌の「創刊号」があります。
「Men’s EX」、「Brio」、「Gentry」、「Leon」、「Oceans」などがありますが、
なかでも一番古いものは「スタイル臨時増刊 男子專科」です。
1950年(昭和25年)創刊、当店で一番古いのは当たり前で、なんと日本初のメンズファッション誌なのです。
1954年に創刊する「婦人画報増刊 男の服飾読本」(のちのメンズクラブ)とともに、「アイビーvsコンチネンタル」の構図で戦後、そして高度成長期のメンズファッションをけん引しました。
母体である「スタイル」は、1936年に作家の宇野千代が創刊した日本初の婦人ファッション雑誌で、男子專科はその増刊号として発売されました。
男子專科創刊の1950年と言えば、まだまだ、日本も占領下で、その段階でメンズファッション誌が発売されたのは驚きです。
価格は、130円(地方では135円)、総務省統計局の小売物価統計を見ても、当時の物価はだいたい、現在の10分の1~20分の1なので、それを考えると現在の価値で、一冊1,300円~2,600円、雑誌はかなり高価な買い物だったようです。
それもそのはず、この本にはほとんど広告が掲載されていません。雑誌の制作費や雑誌社の利益はすべて読者が賄っていたわけです。
10年以上前に、オンラインの古本屋にて、創刊号から20号までのほぼすべてをまとめて手に入れました。
どうも、この雑誌のファンの方が亡くなられ、まとめて古本屋に売られたようです。
元オーナーはファッションが大変お好きだったようで、掲載されているスタイルの服や靴を順番にオーダーされた記録も残っています。
この雑誌で驚くのは、掲載されている内容が今のファッション誌とほとんど変わらないことです。
ニュースソースは主にアメリカのようで、アメリカのファッション事情の紹介はもとより、服装のコーディネート提案、服地やスタイルの知識、靴、時計、帽子などの周辺商品の情報、そしてゴルフ、ビリヤード、テニス、社交ダンスなどのハウツー、リフォーム、車、理美容、はたまたヌード写真の撮り方など、ライフスタイル全般を網羅しています。
ファッションの内容についても、今、メンズファッション誌に掲載しても違和感がないくらいで、いかにメンズファッションの変化が乏しいか、あるいは、今のファッションがクラシックに回帰しているか、とにかく参考になる内容ばかりです。
そして興味深いのは、モデルが、三船敏郎、宝田明、菅原文太、三橋達也、高島忠夫、鶴田浩二、岡田真澄といった後の大俳優の皆さんで、たぶん、当時は男性モデルの概念や職業がなく、若手の俳優が起用されたのだと思います。
1970年頃には「Dansen」を前面に出した表紙で、大人のメンズファッションシーンをリードしましたが、残念ながら1993年に休刊となりました。
その後、2013年、2014年に復刊しましたが、その後途絶えています。
再度の復刊を期待しています。
男子專科HP>>
当店には、創刊号から第12号までのすべて、第15号と21号を除く第14号から第22号まで取り揃えていますので、ぜひご覧ください。
◆ 先日、お知らせしましたように、2021年春夏物のオリジナルネクタイがイタリアより到着しました。
今回は、シルク100%をはじめ、コットン/シルク、シルク/リネン、コットン100% など、春らしい多彩なネクタイが揃いました。
それぞれ2本ずつの展開ですので、お早めにご覧ください。>>
◆ 2021年春夏も早期ご予約プログラムも、また、一部の生地が残っています。
また、Ermenegildo ZegnaのTrofeoもすべて売り切れましたが、追加の入荷の可能性があります。
ぜひお問い合わせください。>>