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Vol. 180 Seersucker in Wool or Silk

すっかり春めいてきました。
気持ちは春爛漫、でもマスクを外せない生活にはちょっと疲れてきましたね。

ところで、春夏物の第一弾として、ウールのシアサッカーのジャケットを制作しました。


Zignone “Active Stretch”  99% Wool  1% Polyurethane  270/290g

シアサッカーは皆さんご存知の通り、縦方向のストライプ状に波のようなしわのある生地です。

たしか塩野七生さん著の「小説 イタリア・ルネサンス」のなかで、シアサッカーとはペルシャ語で「Milk and Sugar」という意味だと読んだ記憶があり、今となってはそのくだりを探すことはほぼ不可能なので、英国の他の文献を探したところ、確かにそのような記述がありました。*
それによると、皺のない部分とある部分が、ミルクと砂糖のようなイメージの対比と書いてありますが、今ひとつピンとこないですね。
多分、ミルクはつるっとしたイメージ、砂糖はざらざらしたイメージなのでしょうね。

このシアサッカーの生地の作り方は経糸のテンションを変える、すなわち、皺になる部分の経糸を皺にならない部分の経糸より少し緩くすることによって、緩くした糸の行き場がなくなり、波のような皺になって表れるもので、肌の接地面が少なくさらさらした風合いなので、夏の素材の代表選手です。

注目すべきは、その原料、素材です。
もともとシアサッカーはコットンであったと思われますが、10年ぐらい前までは、コットン・ポリエステルが主流となりました。
多分、コットン100%では重いということもあり、ポリエステル入りに変遷したのだと思います。
その後、天然素材ブームで、再びコットン100%のものが多くなりました。多彩な色柄が表現できるので、見た目は夏のカジュアルウェアには最適ですが、前述のように、やはり少し重く、通気性は期待できないので少し暑い。
そしてその後主流になったのが、シルクやウールです。
シルクの物性はコットンに近く、さらさらした清涼感があり、しかもコットンより比重が軽いため、シアサッカー向きと言えます。
また、ウールは通気性がよく、湿気の調節機能があり、しかもコットンより軽いというメリットがあります。
まあ、シアサッカーは元から皺が入っているような織り方なので、ほとんど皺が気にならず、どんな素材でも使うことができます。

上の画像は、イタリアのZignoneのウール・ポリウレタン、非常に軽く、適度な伸縮性があるので、アンコンジャケットにすると威力を発揮します。
また、コットンに比べるとドレッシーなイメージに仕上がるので、画像の様にある程度フォーマルな装いに使え、春夏秋の比較的長期間のご着用ができそうです。
これ以外にも下の画像のような様々な素材がありますのでぜひご覧ください。
* 引用文献 「The Illustrated Dictionary of Fabrics:Martin Hardingham著」

 
Lanificio Fratelli Cerruti “Oxygen”  68% Wool 17% Silk 13% Linen 2% Polyurethane  260g

 

 
Loropiana “Mare”  90% Super 150’s wool  10% Silk  180/190g

 

 
Drapers “Jackets & Solare”  100% Wool  270g

 

 
Zignone  “Active Stretch”  99% Wool  1% Polyurethane  270/290g

 

 
米澤織 100% Silk

 

 

神戸タータン情報

◆ 神戸松蔭女子学院大学ファッション・ハウジングデザイン学科の「地域貢献デザイン演習」の授業で、学生がデザインした神戸タータンのエコバッグの販売が始まりました。

今年は遠隔授業が多かったため、学生もじっくりとデザインに取り組むことができました。
価格は2,090円(本体価格1,900円)となります。
当店でも販売しています。

 

◆ 3月29日より、湖池屋プライドポテト神戸ビーフ第2弾の販売が始まりました。


昨年の8月に販売された第一弾では、神戸タータンのデザインが好評であったため、今回は表の面にもタータンがあしらわれています。
ヒガシマル醤油の淡口しょうゆを使った、あっさりとしたすき焼き風の味は、非常に新鮮です。
すでに全国のローソン、ファミリーマートでは発売中、来週からセブンイレブンやスーパー、量販店で販売されます。
100万袋の限定ですので、見つけたら是非ご賞味ください。

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