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Vol. 231 Overcoat Length

近畿地方は早くも梅雨明けとなってしまいました。
梅雨のじめじめが短くなった分、酷暑がやってきますが、どっちもどっちですね(笑)
ただ、夏の水不足が心配です。

◇ 先日、お知らせしましたように、「さとふる」においても、神戸市のふるさと納税返礼品のお仕立補助券をお求め頂くことが可能となりました。
現在、手続きが可能なふるさと納税サイトはこちらをご覧ください。>>
10月からサイトにおけるポイント付与が停止になりますので、お早めにお手続きを進めてください。

◇ 当店におきましては、現在、オーバーコートのご注文の最盛期を迎えています。
【号外】2025年秋冬物生地情報でもアップさせていただいているように、現在、コート生地のお買い得品も出てきており、今からゆっくり仮縫、縫製をさせて頂いて、秋口、晩秋の完成といったスケジュールです。

どうしても秋口になると、スーツやジャケットのご注文が増えてくるので、ある意味、工房にとってはイレギュラーの対応となるコートを、シーズンオフにじっくりと縫製させていただいたほうが結果的に様々なご要望にお応えすることができます。
今後もお買い得生地や珍しい生地をご紹介できると思いますので、ご期待ください。

ところで、オーバーコートを作られる際に、コートの種類もさることながら、着丈をどのようにするか、非常に悩ましいですね。
短い方が取り回しは楽ですが、長い方がエレガントで何よりも暖かいですね。
もちろん、オーバーコートの種類やどんなシチュエーションで着用されるかによって、ある程度、限定されてくるかと思いますが、昨今はかなり短くなってきていると言っていいと思います。

オーバーコートの作り手として、お客様に提案する際の公式が常にあります。
基準となるのは、身長と総丈です。
身長はまさに背の高さで例えば私の場合は174㎝となります。
一方、総丈は首の付け根からかかとまでの長さで、私の場合は152㎝となります。
(スーツの着丈などはこの総丈が基準となります。)


かつて、オーバーコートの着丈は身長の3分の2とか、総丈の4分の3などと言われました。
私の場合、たまたま、いずれも114㎝程度になります。
また、人によってはかかとから34㎝上の長さ、すなわち34㎝分、パンツが見えているのが一番エレガント!とか主張する人もいました。
この説に従うと、私の場合は118㎝となります。
いずれによせ、着丈は「ひざ下」となります。

これは着丈によるイメージの違いを見ていただくため、店内のオーバーコートのサンプルを着用したものです。
この画像でしたら、かつてのオーバーコートの適正な着丈は、紺のチェスターフィールドコート(113㎝)からローデンコート(120㎝)あたりの長さになります。
近年では都会における交通手段も発達し、寒風の中を長時間歩く機会もかなり減ったため、むしろ電車内での暑さの方が気になる方も増えてきて、自ずと着丈も短くなってきました。
私たちも総丈の3分の2が基準になってきました。
これで法則に従うなら、私の場合、101㎝の「ひざ丈」になります。
昔に比べると10㎝以上、短くなりました。
上の画像でしたら、グレーのスポルベリーノ(99㎝)がちょうどひざ丈、ベージュのカバートコート(103㎝)などはひざのちょうど下、と言った感じで、シティーユーズでしたら、この辺りが使いやすいと思います。

もちろん、従来の着丈の長いオーバーコートは確実にエレガントで今も健在です。
ローデンコートは当然、この長い着丈になりますし、オーソドックスなチェスターフィールドコートでもぜひお勧めです。

もちろん、ウェストのサイズや蹴回し(裾の円周)のサイズによって、全体のシルエットやラインが変わるので、この辺りは仮縫でご確認いただきながら決めていければと思います。
いずれにせよ、オーバーコートはスーツのような仕様の制約もないので、制作については非常に楽しい作業になります。
上の画像のピーコート以外はハンドメードですが、マシンメードでもある程度の仕様の変更は可能ですので、ぜひお試しください。

(おわり)

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