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Vol. 217 Safari Jacket

この数年、日本も春や秋がなくなり夏と冬だけになってしまったと思っていましたが、今年はまさにそれを実感できる季節の移り変わりです。
数週間前の肌寒さから一転、夏の気配が。
例年はGWを過ぎると一気に夏になりましたが、今年はGWの直前からすでに暑いですね。
こんな気候には、カジュアルに着こなせるサファリジャケットはいかがですか。

 
サファリジャケットは、バルカラー、肩章、左右のインバーティッドプリーツ入りの胸ポケット、襞とフラップ付きの腰ポケット、袖のシャツカフス、そして腰のベルトなどが特徴的な、狩猟用のジャケットです。
今は一般的なジャケットよりカジュアルな街着として定着しています。
もともとは、英国式のノーフォークジャケットに対してアメリカ式の狩猟服として紹介されたもので、原型はアメリカのアバクロンビー・アンド・フィッチが考案した「アルストゥーク」ジャケットで、それが改良され、1923年に発売されたとのことです。
(出典:「男の服飾事典」婦人画報社刊、但し「アルストゥーク」ジャケットはどのようなものか、私には全く不明です。)
もちろん、先ほど列記した仕様がすべて必須条件でもなく、街着として必要なな機能だけの残せば良いのですが、やはりベルトは欲しいところです。
もっとも、ベルトはしっかりと締めなくても、外した状態でも充分、その雰囲気を醸し出します。

 


Original Fabric  ”Pure Mohair Collection”  100% Mohair 274g  (すでに完売しています。)

本来、アフリカでマラリアを媒介する蚊に刺されることを防ぐため、厚手のコットンドリルを使っていたと思われますが、もちろん街着としてはいろんな素材が楽しめそうです。
今回、以前にもご紹介した、テキスタイルシミュレーションソフト「4Dbox PLANS」を使って、いろんな生地のバリエーションを試してみました。
左側の生地は本物の画像ですが、右側の着用画像はあくまでPC上のシミュレーションとなります。
やはり、麻や通気性の良いメッシュ生地などが便利ですし、一方、撥水コットンは春先から秋口まで着用が楽しめそうです。

 
Spence Bryson  ”Tyrone”  100% Irish Linen 380g

 
Spence Bryson  “Kildare”  100% Irish Linen  350g

 
Ermenegildo Zegna  “Bielmonte”  90% Wool  10% Silk  250g

  
Vitale Barberis Canonico  55% Linen  25% Silk  20% Cotton  280g

 
Maison Hellard  “Heures Bleues”  100% Linen  360g

  
Ermenegildo Zegna  “Traveller”  95% Wool  5% Silk  210g

 
Ventile  100% Cotton  (Weather Resistant)  320g

 
Styletex  “The Yarn Dyed”  100% Cotton  (Water repellent)  300g

1997年にニューヨークで開催されたサザビーズのウィンザー公夫妻の遺品のオークションに、公爵が実際のウガンダでの象狩りの際に着用したサファリスーツが出品されています。(出典:「The Duke & Duchess of Windsor, The Private Collections」Sothebys)

 

  

なんと言っても、夏場のジャケットはポケットに財布やスマホなどが入れられ、手ぶらで歩けるのが大きなメリットです。
機能的なジャケットで、収納という機能を使いこなすのもおしゃれですよね。
(おわり)

 

 

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