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10.12020
Vol. 174 Hopsack Suitings + Jacketings
暑い夏も終わり、ようやくしのぎやすい季節になってきました。
先日、早期ご予約プログラムでご紹介した、ロロ・ピアーナのホップサックの生地のジャケットが完成しました。
10数年前のロロ・ピアーナのコレクションでよく見られたネイビーの地にブルーのウィンドウペーンのジャケット生地です。
*ジャケット Loropiana “Winter Zelander” 100 % Wool 360g
*パンツ Loropiana “Proposte Giacche” 90% Cotton 10% Cashmere 480g
*アスコットシャツ 100% Cotton
*ポケットスクエア 私物
このジャケット生地の特徴は、何と言っても、織がホップサックであることです。
このざっくりとした風合いは、パンツの素材を選びません。
(一般的に、ボトムよりトップスの方に質感がある方が、全体のバランスは優れているのですが、その意味において、トップスのジャケットがざっくりとした質感があれば、パンツの素材の幅が広がるのです。)
通常のクリアカットのウールのパンツから、セミミルドのサキソニー、フランネル、コットンのチノクロス、デニム、また、今回のようなコーデュロイでも合わせられるオールマイティーの素材です。
ホップサックは、まさにその名の通り、ビール用のホップを入れるざっくりとした袋の風合いに似ているために名付けられました。
日本では、斜子織(ななこおり)や引き揃えと呼ばれています。
織り方は、平織の変化形となります。
平織は、経糸、緯糸とも1本ずつの糸の交互の浮き沈みとなりますが、ホップサックは2本以上の糸が交互に交差するのです。
*ホップサックの織組織。青が経糸(たていと)、白が緯糸(よこいと)を表しています。
従って、平織のしっかりとした風合いを保ちながら、ざっくりとしたテクスチャーになります。
また、綾織に比べると、光沢感が少なくマットな仕上がりになるので、カジュアルなイメージになります。
それでは、当店でご覧いただける主なホップサックをご紹介します。
① Loropiana “Winter Zelander” 100% Wool 360g (今回のサンプルの生地)
② Bateman Ogden “Apollo” 100% Wool 415g
③ Scabal “Big Ben” 100% Wool 480g
④ Scabal “Classics” 100% Wool 360g
⑤ Harrisons of Edinburgh “Oyster” 400g
⑥ Loropiana “Super 130’S” 100% Super 130’s wool 260g
⑦ Loropiana “Pecora Nera” 100% Wool 280g
前述のように、ジャケット+パンツスタイルにおいては、ざっくりとした風合いのお陰で、パンツを選ばない便利さがありますが、スーツにおいても、マットな風合いが、光沢のある秋冬物の綾織の生地とは違った趣きを醸し出します。
また、毛羽立ちのないクリアカットな表面は、厚みのある生地でも秋冬秋のスリーシーズンのご着用が可能です。
ぜひ、ご来店の上、サンプルをご覧ください。