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Vol. 145 Linen Delavé

6月に入り、一気に夏らしい空気に変わってきました。

今回は、夏の定番素材、リネンについてお話いたします。

リネン(Linen)の日本語名は亜麻(あま)と言います。(原料となる植物そのものはFlaxと呼ばれます。)
これ以外に大麻(たいま-Hemp)、苧麻(ちょま-Ramie)、黄麻(こうま-Jute)なども品質表示の上では「麻」と呼ばれますが、本来、リネンとは全く違う植物です。
但し、すべて茎から靭皮繊維を取り出すという工程は同じです。

今回お話する、リネンにおいて、最近、「Delavé」と呼ばれるものが多く見られます。

 
Carnet(Sondrio)  “Linen Collection”  270g       Spence Bryson  “Tyrone” Delavé Stone wash 290g

Delavé(デラヴェ)とは、フランス語で「洗いざらし」という意味です。
もちろん、服地である以上、織布工程の後、きっちりとした整理は行われているため、本来の洗いざらしというより「洗いざらし風」と言った方が適当です。
適度なシワ感が肌への接地面を減らし、軽さとさらっとした清涼感があります。
画像ではわかりにくいのですが、実際には全面にかなりの凹凸感があります。

 
Solbiati  “Tromeo”  250g                                Solbiati  “Tromeo”  250g


Spence Bryson “Tyrone” Delavé Stone wash 400g

 

上の画像でもわかるように、Delavéには先染め(糸染)の生地が多く見られます。
先染めとは、予め染めた糸を経緯同色、あるいは経緯違う色の糸を使って織りあげるもので、
その霜降り感と先ほどの洗いざらしの雰囲気が相まって、軽やかな涼しさを際立たせます。

カジュアルなジャケットやパンツには最適ですね。

一方、アイリッシュリネンに代表されるパリッとした生地はサンフォライズ加工が施されています。
サンフォライズ加工とは、織物の段階で機械的に縮ませる加工を施すもので、服が出来上がってからの縮みを防ぎ、最終的にフラットな表面になります。

 
Spence Bryson  “Tropical”  370g                    Dugdale & Sons  “Linens & Cottons”  280g

 
Spence Bryson  “Tropical”  370g                          Spence Bryson  “Tropical”  370g

 

本来、夏のスーツの代表的な素材であったリネンは、プレスの利いたしわひとつないこのサンフォライズ加工のものが当たり前でしたが、
約30年前にはその反動でカジュアルな装いのためのリネンである「しわ加工」が流行りました。
しかしその後の大きなファッションの流れであるナチュラル志向により、より自然な風合いのDelavéが注目されています。

夏の代表選手と言われながら「麻は暑い!」とお嘆きの貴兄、ぜひ、Delavéをお試しください。

 

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