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Vol. 202 Midwinter

本当に寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。
また一時的に暖かくなるそうで、寒さ以上に、この寒暖の差がなかなか厳しいですね。

先週の大雪はいかがでしたでしょうか。
私は、1月24日(火)の寒波襲来の夜、無謀にも車で京都に向かいました。
名神高速道路はいつもより混雑しながらも、何とか京都南の出口の近くまでたどり着きましたが、そこからが大渋滞となりました。
料金所にたどり着いて原因が判明しました。大雪と寒さでETCが作動しなくなり、車一台一台に高速料金の後日の精算方法をしているためでした。
私の車はスタッドレスタイヤを装着しているのですが、さすがに京都市内に入ると、道路はかなりの積雪で交通量も少なかったようです。
おかげで、通常、神戸から1時間程度の道のりが、5時間近くかかりました。
車で出かけたことをちょっと後悔したのですが、ホテルでニュースを見てびっくり、JRがポイントの凍結のため、立ち往生しているとのこと、それに比べると、車の方がまだ楽をさせていただいたかもしれません。

そして翌日は、多くの市バスが立ち往生して交通は混乱していましたが、めったに見ることができない京都の雪景色を堪能しました。

 
金閣鹿苑寺


東寺(教王護国寺)


観智院庭園から東寺を望む

ところで、1月中旬から少しずつ2023年の春夏物の生地見本が届き始めました。
また、それと並行して、既存のバンチサンプルの価格の改定の連絡が多くあります。
もちろん、「改定」と言いながら、世界的なインフレの流れを受けて、すべての生地において「値上がり」となります。
一時は、内外の金利差に起因する日本円独歩安による輸入品価格の高騰がクローズアップされましたが、昨今は金利差の縮小傾向の中で、外国為替も一段落しています。
それにもかかわらず、ヨーロッパの生地の価格の高騰は、やはりヨーロッパのエネルギー事情が影響しているようです。
ヨーロッパのインフレは、一般生活品が10%程度なのに対して、エネルギーは40%というすさまじい勢いとなっています。
ニュースによると、今年の英国の一般家庭のガス・電気代は年間100万円を超えるそうです。
やはり、一番大きな原因はロシアからの化石燃料、特に天然ガスの供給停止です。
特にドイツは、再生エネルギー電力が半分以上でありながら、天然ガスについては55%をロシアに頼っていたとのこと、そのためにヨーロッパ内の化石燃料の価格が高騰しました。
また、地球の温暖化による昨年の熱波によって夏のエアコンによる電力消費の増加や、干ばつによる水力発電不足、更には、フランスの原発の故障などで、ますます、ひっ迫した状態になっています。
これらのエネルギーの高騰により、生産コストや物流コストが確実に上がっており、さらに、ヨーロッパ各国はコロナ禍からの回復によって需要が急増し、物流在庫が減少したため、コスト高がもろに商品に跳ね返ることになっているようです。
更に、世界的なSDG’sの流れで、ウールなど獣毛の生分解性がクローズアップされ、化学繊維や合成繊維に比べて天然繊維の需要が高まることも考えられ、需給のバランスが注目されます。
最近の英国やイタリアの生地価格の推移をみていると、平均8%程度の値上がりにとどまっています。
ただ、イタリアの生地メーカーは毎シーズン小刻みに価格の改定をしていることが多く、このコロナ禍の2年間で30%近く価格が上昇しているものもあります。
そして、モヘア素材の価格の高騰が目立ちます。
原因は全く不明ですが、前述のようにエネルギー高騰を見越した、流通在庫の買い占めのようなことが発生し、素材としてはマイナーなモヘアなどに大きな影響があるような気がします。
これで、所得も上がれば、景気回復の好循環になるはずで、政府に期待したいですね。

我々としては、コロナ禍で現在、行われている経済対策を、うまく利用したいと思います。
例の「神戸ブランドエールクーポン」も2月15日までとなり、残すところあと、2回の週末となりました。
神戸市の話によると、まだ、予算達成には程遠いそうで、当店のクーポン発行の限度額が500万円から2000万円に引き上げられました。
従いまして、まだまだ余裕がありますので、まだご利用でない方はぜひお試しください。
また、ご家族などにもぜひお進めください。

今シーズンは春夏物の生地の到着が若干遅いような気がします。
到着次第、インスタグラムでもご紹介しますので、ぜひご覧ください。

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