Yarncount

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Yarncount(糸の番手)

「糸の番手」とは

 Centenary Oil Spun Colectionに使用した、トップ染めのグレーの糸)

Centenary Oil Spun Colectionには、高級なスーパー140’sの原毛を使用しています。
ご存じの通り、スーパーの表示は、糸そのものの太さ(番手)ではなく、糸を構成している原毛の直径を表すもので、スーパー140’sは直径16.5μ(ミクロン)となります。
この直径が細くなるに従い、スーパーの表示の数字は高くなります。
直径の細い原毛を使えば使うほど、理論的には細い糸を紡績することが可能で、このスーパー140’sの原毛では、一番細いもので140番手、一般的には100番手程度の糸を作ります。
今回、我々は80番手という、比較的太い糸を作ることにしました。(経糸、横糸とも、80番手の糸を二本撚りした「80番双糸」を使用します。

紡績の工程において, 太いトップの状態から何度も何度もドラフトを繰り返し、徐々に糸を細くしていくのですが、その引き延ばす工程において、ドラフトの回数が多ければ多いほど、本来、ウールの持つクリンプ(縮れ)が伸びきってしまい、伸縮性が損なわれるという問題があります。

今回、あえて80番手という、太い糸にすることにより、できる限りドラフトの回数を減らし、言うなればバネ(クリンプ)が縮んだ状態で糸を作ることができました。
英国式紡績による、糸内部の撚りと太番手の糸を「余裕をもって」作ることにより、より、張りがあり伸縮性に優れた糸を作ることができました。

 

*番手
糸の太さは「番手」で表されますが、それぞれの素材の紡績工業が発展した地域や国によって、基準が全く異なります。
今回の梳毛糸については、一般的に80MMと表示されます。これは、Metric Mesurement(Metric Count)の略で、いわゆる恒重式、1㎏の糸が1㎞の長さのものが1番手(1MM)です。したがって今回の糸は、1㎏の重さでなんと80㎞の長さがあるということです。(今回は、80番手の糸を2本撚りした80番双糸となり、この場合の表示は「2/80MM」となります。)
ちなみに、シャツで使用されるコットンの場合は、ECC(English Cotton Count)と呼ばれ、前述のMMとは基準が全く違います。ウールの80番はコットンの48番程度と同じ太さになります。

 

 

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