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Other Particular Process(その他の工程)

「染色」

今回のオイルスパンに関しては、ネイビーとミディアムグレーの2色の展開ですが、それぞれ、染色の方法が全く違います。
まず、ミディアムグレーに関しては、糸でグレーに染めるのではなく、一般的に色の深みを増す「霜降感」を出すために、トップの状態で黒に染め、それに白いトップを混ぜ合わせてグレーを作りだします。
したがって、白と黒のトップの比率によって、グレーの濃淡が決まります。
これがいわゆる「トップ染め」です。
一方、ネイビーに関しては、白の80番手の糸(正確には、2本撚り合わせた双糸)の状態でネイビーに染めます。
これは、ネイビーそのものが微妙な色合いによってイメージが変わるため、なんどもビーカー試験を繰り返しながらより良い色を作りだすためです。
一般的に、この「糸染め」は糸の風合いを損なう、特に、濃色に関しては、長時間熱湯にさらすためにダメージが大きいといわれており、
今回は、いわゆる低温染色において、非常に長い時間をかけて染色をしました。
さらに、経糸にこのネイビー、横糸に黒の糸を使うことにより、より深みのあるネイビーの服地を実現しました。


左から:黒糸(糸染め、ミッドナイトブルーの服地の横糸)|紺糸(糸染め、ミッドナイトブルーの服地の経糸)|グレーの糸(トップ染め、ミディアムグレーの服地の経糸、横糸)


仕上整理加工

服地は織上がった段階では、まだまだざらざらで光沢のない、麻袋のような状態ですが、最後の仕上げ加工によって劇的に変化します。
具体的には、
・洗絨(石鹸とソーダ温液での洗い)
・湯のし(熱湯につけて、生地を安定させる)
・剪毛(せんもう、毛羽の長さを揃える)
・蒸絨(生地を充分に縮ませ、型崩れを防ぐ)
・圧絨(表面のなめらかするためのプレス)
などを行いますが、今回は特に、各工程ごとに十分に生地を休ませ、最大限にウールの特性を引き出せる、いわゆる「エイジングフィニッシュ」を施しています。
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