Century Original Tartan

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Century Original Tartan

「タータン」とは

タータン(日本ではタータン・チェックと呼ばれていますが、正式は単に「タータン」と言います。)は、ご存じのようにスコットランド特有のチェック柄です。
スコットランドに定住したケルト民族は血縁関係の団結を重視する「氏族制度(クラン)」をもっており、タータンもその氏族の象徴として16世紀に発達したといわれています。

もちろん、紋章などと同様に、戦争において敵と味方を区別する役割を果たしましたが、誇り高いスコットランド人にとって、征服民族であるアングロサクソン系のイングランドに対抗する彼らの「シンボル」でもありました。
それが証拠に、スコットランド系のスチュワート家が王位の奪還を試みたジャコバイトの反乱にてイングランドに敗れた1745年には、イングランドはスコットランド人にタータンの着用を禁じたほどです。

1997年、スコットランド出身のブレア首相のもと、1707年に閉鎖されたスコットランド議会が再開され、それ以降、スコットランド独自の文化の保護に力を入れ、2008年には我々がハウスタータンを登録した「The Scottish Resister of Tartan」(スコットランドタータン登記所)がスコットランド国立公文書館によって設立され、タータンの保護、保存と啓蒙に努めています。

タータンは原則的に経糸・横糸の配列が同じで正方形のチェックあること以外、特に制限はありません。
また、現在は、氏族や家族以外でも学校や会社、各種団体でも登録が可能となっています。
タータンの登録は、生地を構成している糸の色(Colour)とそれぞれの色糸の本数(Thread Count)によって行われており、類似のチェックの登録は認められません。
また、当店のハウスチェックの日本国内におけるデザインの保護のために、2015年4月、日本の特許庁においても意匠登録を行いました。。

ところで、タータンはもともと、スコットランドのハイランド(北部の高地地方)にて発展したもので、南部のローランド(低地地方)においては、氏族の象徴であるタータンとは別に、庶民の間で地方色豊かな「グレンチェック」、「シェパードチェック」、「ガンクラブチェック」などが発展しました。
これらは一般的に「ディストリクトチェック」と呼ばれています。

*英国とは、正確には「United Kingdom=連合王国」でイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4か国により構成されています。正式名称は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」したがって、サッカーのワールドカップもそれぞれの国が代表チームを作り、予選に臨みます。ラグビーの「6か国対抗」もこれらの4か国にフランスとイタリアが加わったものです。

ややこしいのは、グレートブリテンとは、北アイルランドを除くイングランド、スコットランド、ウェールズの3か国で構成する島の名前、ブリテンと呼ぶ際はイングランドとウェールズの2か国です。

さらに、上述の連合王国には属さず、自治権を持った英国王室の属領となる「マン島」や「チャンネル諸島」があり、我々日本人には、にわかに理解しがたい状況です。

以上のように、一般的に英国=イングランドは正しくありません。ただし、20世紀までは、人口比率や経済力を考えると、実質的に英国=イングランドであったかもしれませんが、前述のスコットランド議会、さらには北アイルランド議会も創設された今、その様相は一変しています。今年(2014年)9月には、スコットランド独立を諮る住民投票が実施されます。


当店のハウスタータンとそのイメージもとになった神戸の風景。 (色はそれぞれ、神戸を象徴する海のブルー、メリケンパークに点在する建物の白、ポートタワーや神戸大橋の赤、そして、後ろに控える六甲山のグリーンを表しています。)

The Scottish Resister of Tartan」の登録証。Thread CountとColourが明記されています。右は日本の特許庁における、意匠登録証。


スコットランドのLovat Millにおける製作風景

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